秋はゆっくりと時間をかけて、表情を変えながら深まっていきます。
草原や湿原の草花がそれぞれの色に染まる「草紅葉」も、カラフルで軽やかな色合いから、渋く重厚な色合いへと変化していきます。

若いススキの穂や秋の花々を付けた「明るい秋」を求めるならば9月、
枯れ行く植物が織りなす「落ち着きの秋」に触れるならば10月がおすすめです。

9月 秋の花 ススキ野原 中秋の名月

湿原の周りでは、トリカブト、吾亦紅、アキノキリンソウ、リンドウなどの秋の花が見頃です。小屋では朝夕の冷え込みが増して、薪ストーブを使う日が出てきます。

ススキ野原では毎日少しずつ穂が伸びていき、9月後半になるとふさふさに開いて輝き出します。

そして9月は中秋の名月…。月光で輝くススキ野原も本当にきれいです。カンタンなどの昆虫の合唱も心地よく響き、夜空を見上げながらゆっくりと過ごすことが多くなります。


パッチワークの草原

9月の草紅葉はまだ植物の種類によって始まったり始まってなかったり…。そのため、赤・黄・緑とパッチワークに染まる風景が楽しめます。

写真は9月後半の八島湿原。草原はほぼ色づいていますが木々はまだ緑色です。

10月 深まる草紅葉 初霜 木々の紅葉

9月に始まった草紅葉は次第に深みを増していきます。10月の前半は最も渋い草紅葉が楽しめる季節です。

初霜

毎年10月10日前後に気温がグーンと下がるようになり、初霜がおります。
すると、それぞれの草紅葉が霜で化粧をして白く輝き、とても美しいです。

霜が降りると草の葉は色を失って枯れていくので、この風景を楽しめるのは一年でも数回しかありません。それも霜が降りた日の朝の数時間のみ。出会えたらラッキーです。

木々の紅葉

10月中旬にはミズナラ林の紅葉が、10月末になるとカラマツの黄葉が待っています。観音沢の紅葉散策も忘れてはなりません。カラマツが色づくといよいよシーズンの最後。静かな高原をかみしめるようにゆっくりと歩きます。

毎年この季節になると、その静かな山を歩きながら、少し感傷的な気持ちに浸ります。
今年の役割を終えた植物が静かに揺れ、枯れ行く姿。

全ては移ろい、終わりを迎える…。
そのことを象徴する風景がそこにあり、人の世の姿とも重なっていくようです。

その風景はただ美しく、少しの感謝とともに、そっと心にしまうようにしています。
そして「終わり」は新しい生命への更新の準備であることも私たちは知っています。

今年来てくれたお客様との思い出を振り返り、来年はどんな年になるかなーと想像しながら、冬の準備をはじめます。

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